南大通りの住宅 気温湿度の計測と電気料金の推移

南大通りの住宅に引越して3年半が過ぎましたが、その間に換気設備の熱交換素子を当初の顕熱式から全熱式に交換しました。湿度調整が目的でしたが、変更後1年が過ぎましたので、設備機器の使いこなしを含めて報告したいと思います。

除湿型放射式冷暖房の使いこなしと換気設備熱交換素子の交換

南大通りの住宅では、冷暖房を除湿型放射冷暖房(PS HR-C)で、換気を第一種熱交換換気(日本スティーベル LWZ-170)で賄っています。エアコンは設置していません。

入居して最初の夏、放射冷房の設定を送水温度20℃/送水量100%としたところ、室温は快適値でしたが湿度が高すぎて改善の必要性を感じました。HR-Cのフィンに冷水を流すことで意図的に結露を生じさせ、その結露水を排水することで湿度を下げる目論見でしたが、設定温度が高すぎて思ったほど結露水を回収できなかったようです。

HR-Cによる結露水回収の様子

二年目以降の夏は送水温度をさらに下げ、その分流量を減らしてみました。送水温度15℃/送水量50%という設定です。すると湿度は10%ほど下がり、ほぼ60~70%の間で推移しました。室温の方も概ね24~28℃でほぼ快適といえる状態になりました。時々30℃を超えているのは、気が付かないうちに日射が室内に過剰に入り込んでいたためです。

一方、冬はといいますと乾燥感が強すぎるという問題がありました。最初の年は特に対策はしませんでしたが2年目は加湿器を使用しました。おかげで10%ほど湿度は上がりましたが、まだ少し湿度が低いことと加湿器の騒音や給水の手間に不満を感じていました。ちょうどそのころエネルギーアドバイザーから、換気扇の熱交換素子を顕熱式から全熱式に交換したところ湿度の改善がみられたという事例の情報を得、私も検討してみました。トイレや浴室も同一系統で換気していたため、においが他に回るという懸念もありましたが、洗浄便座の脱臭機能のせいかこれまでトイレのにおい自体が気になったことがなかったため、熱交換素子を変えてみることにしました。

熱交換素子の交換 顕熱型 → 全熱型

結果は加湿器なしで冬季間の湿度が40~60%の間に納まり、非常に効果がありました。においの問題も発生せず、室内環境としては申し分ない状況になりました。

次のグラフは2階リビングの計測結果で、以上のような推移を示したものです。

次のグラフは、前のものと重複期間がありますが、現在の記録から遡って熱交換素子の交換前後各一年の推移を表したものです。傾向としてはほぼ変わりありませんが、夏の湿度を除湿器なしでもう少し改善したいところです。

2023年1月の電気料金

最近、電気料金の値上げがあちらこちらで取りざたされていますが、南大通りの住宅の状況も報告したいと思います。南大通りの住宅は熱源を電力のみに絞っていて、ガスや灯油は使用していません。直近の2023年1月請求分の電気料金と使用電力量は、33,847円/870kWhでした。一方で昨年同月分はといいますと24,757円/939kWhでした。使用電力量は前年比93%でしたが、請求額が前年比137%となっています。先日、東北電力から届いた案内によると、電力料金の改定申請が認められた場合は4月からさらに値上がりする見通しです。

一年間の電気料金

これまでの記録では、電気料金が最も高くなっていたのが冬場の1月でしたが、参考までに直近の一年間とさらに遡った一年間の電気料金の記録も示しておきます。この間、使用電力量は7,273kWhから7,019kWhに減っているものの、請求額は195,781円から237,963円に増えています。単純計算して前年比126%の値上りでした。南大通りの住宅の使用条件は24時間全館冷暖房で、調理、給湯、換気、照明、その他家電もすべて含めたのオール電化の電気料金となります。

設計時の電気料金シミュレーション

南大通りの住宅では、設計時にエネルギーアドバイザーによる電気料金のシミュレーションを行っています。以下がその内容ですが、年間光熱費(電気料金)の予想は199,787円でした。これは2021年2月から2022年1月までの1年間の実際の電気料金と4,000円ほどしか変わりありません。竣工後はだいたい似たようなペースで推移していましたが、ここ一年で料金が徐々に値上がりしているという印象です。

細かく見れば、夏冬で若干の誤差を相殺している感じもありますが、シミュレーションとしては上々の出来と思います。エネルギーアドバイザーはイーシステム株式会社の横山さんで、南大通りの住宅では外皮性能と設備負荷の計算、冷暖房及び換気設備の設計協力と施工をしていただきました。住宅を建てるにあたっては、ローン返済だけでなく光熱費の支払いも必ず必要になります。両方セットで月々の固定費が決まりますので、断熱性能(イニシャルコスト)と光熱費(ランニングコスト)のバランスにも気を配って計画することにより長期収支の見通しもより精度が上がり、安心感も得られるかと思います。

ところで横山さんは、断熱性能や光熱費のシミュレーションを、スマートフォンでどなたでも簡単にできるアプリ「かんたん燃費」を提供しています。長期ランニングコストも試算できるので、「長い目でみれば断熱性能にお金をかけておいた方がおトク」といった結果が出たりして、結構興味をそそられます。関心のある方はどうぞお試しください。

https://kantan-nenpi.com/

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