限られた敷地を最大限に活用
敷地は、盛岡市中心部に近い商業地域の一角で、利便性は高いものの、約1.4Mの高低差がある二面道路の角地です。面積は約28坪。地方では街なかの狭小地といえるでしょう。
住宅には諸室の他にもいろいろな屋外スペースが必要です。今回、敷地に余裕がないので、屋内屋外の必要な空間を、どのように立体的に組み立てるかを考えました。
まず、2台分の駐車場は幅員15Mの前面道路に面する低いレベルの1階ピロティで確保し、玄関及びポーチは半階高いレベルに設けました。

1階は約10坪の玄関・階段及び個室といった屋内空間に加え、約10坪の駐車場と屋外倉庫及び1坪半の玄関ポーチといった外部空間からなっています。
半階低い駐車場の上部、中2階は約8坪の納戸で、2階はバルコニーを含めると約21坪の、夫婦二人ワンフロアで完結する居住スペースという構成です。2坪弱の2階のバルコニーは、屋内の日射や視線をコントロールする外付ブラインドにより、半屋外的空間となっています。
下の図は以上のような構成を示した断面パースです。

外壁や屋根、基礎の濃淡オレンジの部分は断熱層の厚さを表しています。断熱性能を上げるため軸組みの外周部に付加断熱を施している関係もあり、外壁の壁の厚さは30㎝を超え、コンパクトな敷地は建物と屋外機置場とでほぼスペースを使い切っています。この図では、他にも冷暖房や換気、開口部の設備についても記載していますが、それについては、また改めてお伝えしたいと思います。

また、形態的には駐車場ピロティ、玄関ポーチ、2階バルコニーやメンテナンスタラップといった機能の外部空間を、緩勾配の屋根を乗せた敷地いっぱいの直方体のボリュームから、それぞれ引き算した構成としています。

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