南大通の住宅 BIMモデル

南大通の住宅はBIMによる設計です。この建物を例に3Dモデルから抽出される2Dデータやそれをもとにした建築図面の作成について取り上げてみます。

3Dモデルからパースを抽出

ここではiPad上で3Dモデルから抽出したパースをサンプルとしています。GRAPHISOFTのBIMx PROというアプリで内観外観のパースのほか、断面パースやウォークスルーもiPadでみることができます。また、平面図や断面図などの2D図面を図面縮尺どおりの寸法で表示することも可能です。

BIMによる3Dモデルの外観パース。岩手県産の唐松無塗装の外壁は5〜10年ほどで、雨掛り部分がグレー色に経年変化しますが、その頃のイメージを表現しています。
パースの中の四角や丸のマークは、タップすると関連する平面図や断面図を表示できるようになります。

3Dモデルから2D図面を抽出

BIMでは、3Dモデルから平面図や断面図を切り出して2D図面を作成しますが、その概念図のようなものが下の図です。3Dモデルを任意の位置で切断した断面パースと断面詳細図との関係を表したものです。

3Dモデルから断面詳細図を作成する際は、 3Dモデルの任意の切断面で2D図面を抽出します。

平面図も平断面の切り出しをもとに作成されますが、それだけでなく空間のつながりを説明するために、このような断面パースとして利用することもあります。

3Dモデルの平断面パース。このようにプレゼンテーションで利用する場合もあります。

抽出した2D図面をもとに建築図面を作成

ここからの図面はパソコン上で作業したものになります。 3Dモデルから切り出した断面図のベースになる2D図面は下の図のような状態です。これをもとにレイヤーの選択で不要な置き家具や自動車などを消して、逆に寸法線や仕上げ材料を記入すれば断面詳細図の仕上がりとなります。

3Dモデルの任意の位置で切断した2D図面。置き家具や自動車は記載されたままです。
不要な情報をレイヤー選択で消して、逆に寸法線や仕上げ材料を記入すれば断面詳細図となります。

図面の設計情報の出どころはすべて一つの3Dモデル

BIMにおいては3Dモデルが「あらゆる情報を一元化した設計図」 という位置付けですので、設計情報の出どころはすべて一つの3Dモデルからということになります。3Dモデルの設計変更は、ここから切り出したすべての図面に連動して自動的に修正されますので、図面の整合性は担保されますし、作業効率が優れているという意味もお分かりいただけるかと思います。

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